オランダ アムステルダムに拠点を置くEバイクブランド「ヴァンムーフ」は、サプライチェーンと品質管理の問題から、財務上の難問に直面していたとTECH EUやバイシクルリテーラー等の複数のメディアが報じています。
- VanMoof: The more they sell, the more they lose – Tech.eu
- Report: VanMoof needed cash bailout to continue operating | Bicycle Retailer and Industry News
ヴァンムーフと言えば、スマートなデザインとハイテクを売りにしたEバイクブランド。2021年9月に1億2800万ドル(日本円で約160億円)の資金調達を行い、世界で最も資金調達したEバイク企業であると謳っていました。
オランダの金融メディア「Financieele Dagblad」が算出した2021年の売上高によると、ヴァンムーフの自転車を販売するためのコストは購入価格よりも大きく、粗利益の損失は1190万ユーロ(日本円で約16億8000万円)となり、2020年の670万ユーロ(日本円で約9億4600万円)の損失から拡大したとのことです。
また、ヴァンムーフは品質の悪さが浮き彫りとなっています。同社が2020年4月に発表したEバイク「S3」と「X3」は、配送中に発生した傷やさまざまな損傷、油圧ブレーキの不具合、電気系統の故障など様々なトラブルが発生が発生し、SNS上ではオーナーの怒りの声を見かけます。2021年のヴァンムーフの製品の保証期間中の修理・交換費用は、800万ユーロ(日本円で約11億円)と予測されています。
他にも、ヴァンムーフは低価格で最大3年間の無料メンテナンスと、盗難にあったバイクが2週間以内に回収できなかった場合の代替モデルを用意するプラン「Peace of Mind保証」という手厚いサービスがありますが、このサービスにより同社の経営難に拍車をかけているようです。
複数のメディアによると、ヴァンムーフは2023 年の第1四半期に存続が危うくなると予測した後、株主からの資本投資を求め、受け取る予定とのこと。今後が気になるところです。