自転車を屋外で保管するうえで問題となるのが雨。特に、強風と大雨が合わさったり、台風が接近しているとき、自転車を外に保管したままにすると、風で飛ばされる可能性や雨により自転車にダメージが発生する。今回、台風時の自転車の適切な保管方法に関して解説しよう。
台風では屋内保管を行うのが基本
高価な自転車を保管する人は屋内に自転車を保管することが少なくないが、多くの人は自転車は屋外で保管する人が一般的だろう。しかし、台風時に屋外で保管すると、自転車が飛ばされるほどの強い風が吹くことがあるため、屋外での保管はお薦めしない。
基本的に、台風発生時の自転車の保管は、家や倉庫、ガレージなど雨風に当たらない場所に置けるのなら、屋内に保管しよう。スポーツ自転車なら車輪を外すだけでも室内保管が簡単に行うことができる。また、折りたたみ自転車なら車体を折りたたんで室内に入れておけば比較的邪魔にならないだろう。
電動アシスト自転車の場合、バッテリーだけでも室内に入れておく
電動アシスト自転車にはバッテリーを取り外すことができるモデルが多くある。電動アシスト自転車の部品は防水対策を行っているが、大雨が直接バッテリーに吹き付ける場合や、保管中に車両が転倒して雨がかかる場合、電装部品の隙間から水が浸入しやすくなり、故障の可能性が高くなる。そのため、万が一の場合に備えて、バッテリーを取り外して室内保管しよう。
自転車のカバーで雨対策を行う必要があるが、台風対策が必要
屋内で自転車の保管ができない場合、屋外保管を行うしかない。この場合、自転車カバーを使う必要があるが、サイズが合っていないため、カバーが舞い上がりそうになったり、風飛びを防止する機能が付いていない場合、カバーと一緒に倒れてしまうことがある。そのため、自転車を丈夫な柱などに結び付ける、カバーを紐で縛って飛びにくくする、風を受けにくい壁際などに置くなどの対策を行おう。
自転車は倒さないでおいておく
台風の場合、自転車をあらかじめ倒しておくという話をよく聞くが、自転車を倒すと、自転車の中に入っているベアリングに水が入って錆びやすくなる可能性があるためお薦めしない。
また、電動アシスト自転車の場合、倒しておくのは厳禁だ。電動アシスト自転車の防水性能は直立した状態で上から雨が降っている場合には対応しているが、倒れた状態での水の侵入は想定されていないため、電装部品の隙間から水が浸入しやすくなり故障する可能性がある。バッテリーを外し、自転車カバーを装着して、雨対策を行いたい。
台風後は自転車のメンテナンスを行う
台風が過ぎ去ったら、自転車の状態をチェックしよう。自転車のチェックする場所は、自転車に傷や損傷がない、濡れている場所はウエスなどで拭き取る、チェーンに油を差すといった基本的なことで大丈夫だ。
また、電動アシスト自転車の場合、電装部品に浸水していないかを確認しよう。台風の強風で倒れてしまい、濡れていると故障の原因になるため注意しよう。もし、冠水してモーターの一部や全部が水に浸かってしまった場合、感電する危険があるので、電源を入れずに購入店もしくは近くの販売店に相談しよう。
自転車だけでなく、オートバイや自動車でも遭遇したくない台風。自転車の場合、台風時はできるだけ屋内で保管したいが、どうしても場所がない場合、できるだけの対策を行い、大切な自転車が壊れないように早めに対策を取ろう。
図解 台風の科学 発生・発達のしくみから地球温暖化の影響まで (ブルーバックス)