E-Bike (電動アシストスポーツ自転車)は、オートバイよりも静かで小回りが効くため、従来の軍用車両ではできなかった隠密的な行動ができるため、様々な軍隊が注目している。
イタリア軍は、2021年3月には、Villa Bassa(BZ)にある第6アルプス連隊に、FANTIC製E-Bikeを軍事利用するテストを実施。この時は、FANTICのファットタイヤE-MTBの「FAT SPORTS」と、フルサスペンションE-MTBがテストで使用された。
その後、輸入を行っているモータリストのFANTIC E-Bike担当者によると、「FAT SPORT」がイタリア軍に正式採用されたと語った。
FAT SPORTは、FANTIC唯一のファットタイヤを装着したE-MTB。26×4インチを装着したタイヤに、定格出力250W、最大トルク70Nmを発揮する、Brose Tシリーズモーターを搭載している。
かつてFAT SPORTに乗車し、雪の上を走行したことがあるが、車体重量が22キロと車体が軽く、太いタイヤにより雪に埋まりにくいため、敢えて雪の中に突入するなど、車体重量が重いオートバイではできない遊びを行っていた。
イタリア軍が数あるFANTIC製E-Bikeの中でFAT SPORTを採用したのは、恐らく扱いやすさと機動性の高さだと思われる。FANTICはFAT SPORTだけでなくさまざまなフルサスペンションE-MTBを取り揃えている。雪上試乗会でFANTIC E-Bikeを取り扱っている人によると「山道(トレイル)をスピード重視で走るのなら、フルサスペンションE-MTBのほうが良いが、扱いやすさを重視するのならFAT SPORTが初心者に良い」と語っていた。
FANTICには、街乗り向けの「ISSIMO」があるが、こちらは車体重量が30キロクラスと重く、ギア比が重くオフロード走行を想定していないため、軍用車に載せる場面に、ぬかるみや雪道走行が難しいため採用しなかったと思われる。
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FANTIC E-Bike https://fantic-ebike.jp