LEVA-EUは2022年2月23日、欧州委員会が、チェーンやベルト、シャフトなどを介さないアシストシステム「シリーズハイブリッド」タイプの電動アシスト自転車(E-Bike)を、正式に認可すると発表した。
自動車のシリーズハイブリッドシステムは、エンジンは発電機を駆動することのみに使用し、その電気でモーターを駆動し走行する方式となる。
電動アシスト自転車の場合、チェーンやベルトドライブ、トライブシャフトなど、クランクと後輪を機械的に接続しなくても機能する機構となっている。ボトムブラケットにはジェネレーターが装備しており、ケーブルでリアハブモーターに接続され、ライダーが生成した電力は、ボトムブラケットで電力に変換されてモーターに電力を供給し、推進力を生成するとのこと。
LEVA-EUは、欧州で唯一、小型電気自動車(LEV)のみを対象とした業界団体。同団体は、持続可能なモビリティにおけるLEVの重要性を深く確信しており、LEVの市場導入と普及を促進するために、LEV を管理する迷路のような規則と規制の案内などを行い、市場参入と発展を促進させると謳っている。
欧州では電動アシスト自転車は、アシスト可能距離が最大で時速25キロ、定格出力250Wのペダルアシストを行い、第2.2条(h)に従って規則168/2013から除外される。
一方、ペダルジェネレーターからモーターに直接流れる機械的なチェーン等の駆動方法がないシリーズハイブリッド駆動システムを搭載した車両は、Lカテゴリの型式承認が必要だった。しかし、オランダの認可機関であるRDWは、シリーズハイブリッドシステムを搭載した自転車をEPAC(Electric Pedal Assist Cycle。いわゆる電動アシスト自転車)と見なし、規則168/2013から除外することを確認する公式声明を発表した。
これにより、多くの企業がシリーズハイブリッドシステムを開発し始め、特にE-カーゴバイクメーカーは、このシステムが車両にもたらす多くの利点を発見した。このシステムは機械部品が少ないため、摩耗やメンテナンスコストが少ない利点があり、車両のメンテナンスとサービス間隔を短縮することができる。また、設計の自由度も高いだけでなく,リバース機能も備えることで、2輪以上のE-カーゴバイクで装備で役に立つと謳っている。
LEVA-EUは設立当初から、技術開発を著しく阻害する技術法上のボトルネックの撤廃を主張し、活動しており、シリーズハイブリッドシステム問題に関係する加盟国を支援、欧州委員会と協議を実施していた。欧州委員会は2022年2月17日、EU加盟国との会合で欧州委員会は、「規則168/2013の第2条2項(h)の要件を満たすためにペダルサイクルが満たすべき要件について」以下のことを明らかにした。
内容は、最大連続定格電力250Wの補助電気モーターを装備していること。サイクリストがペダルを漕ぐのを止めるとモーターは停止すること。それ以外の場合は徐々に減速し、最終的に時速25kmに達する前にモーターが切れること。モーターの補助機能は、ペダルを漕がずにモーターのみで推進できること(時速6kmまでの歩行補助は除く)。モーターは、サイクリストがペダルを踏み続けている間だけ補助力を発揮すること。チェーンがあるかないかは、技術的中立性の観点から、この適用除外に該当するかどうかには考慮されないこと。
これにより、欧州委員会は、シリーズハイブリッドシステムを搭載した電動アシスト自転車はEPAC(Electric Pedal Assist Cycle)であり、規制168/2013の第2.2条(h)から除外されることを正式に確認した。
電動アシスト自転車のシリーズハイブリッドシステムは、ドイツの自動車部品、産業部品のサプライヤーで有名な「シェフラー」の「フリードライブ」システムなどが存在する。シリーズハイブリッドシステム仕様の電動アシスト自転車は、電動アシスト自転車の定義を変えるほどのセンセーショナルな話だろう。
関連リンク
- EU Commission finally confirms: Series Hybrid Cycles are EPACs excluded from L-category https://leva-eu.com/eu-commission-finally-confirms-series-hybrid-cycles-are-epacs-excluded-from-l-category/