日進月歩のように進むE-Bikeの世界。日本市場でもMERIDA、GIANTなど大手自転車ブランドや、Boschなど大手サプライヤーも本格参入し、競争が激しくなっている。
日本市場よりも熾烈な争いのEU市場では、従来の流れとは違うE-Bikeが登場している。その中で注目されているのがForestal Siryonだろう。
Forestal Siryonは、29インチのエンデューロタイプのフルサスペンションE-MTB。車体重量18キロを切る軽い車体に、最大トルク60NmとライトウェイトE-Bikeでは高いトルクを実現。また、スマートフォンとの連携し、E-Bike界のテスラとも言えるだろう。Forestal Siryonの日本市場導入に関しては不明だが、今回はSiryonのリリースを紹介しよう。
SiryonはアンドラにあるForestalのテクノロジーセンターで全て開発されている。Forestal曰く「設計とエンジニアリングに新しいベンチマークを設定し、統合とパフォーマンスを次のレベルに引き上げる」とのこと。
フレームはカーボンファイバーモノコックに、特許取得済みの専用サスペンションを搭載。また、ユニットは独自開発されたカスタム開発の超軽量モーターやバッテリーを採用し、完全に統合されたタッチディスプレイ、独自のアプリを介してスマートフォンに接続することもできる。
モデル名は星座と星から名前を付けており それぞれが歴史の伝説と神話に基づいた独自の性格を持っているとのこと。Siryonの名前は、夜空に見える最も明るい星、シリウスに由来し、パワーと偉大さを意味している。
Forestalのデザインは完全に独立し、サードパーティの統合や要求による妥協や制限は一切無いのを売りにしている。
Alpha Boxフレームは、フレームの各部に高・中弾性カーボンファイバーを採用。快適性を必要とする重要な部分では柔軟性を、その他の部分では剛性を高めてハンドリングレスポンスを向上させるように配合していると謳っている。
リアサスペンションはTwin Levityを採用。パフォーマンス、ライディングエクスペリエンス、効率性に重点を置いて設計された特許取得済みのサスペンションシステムで、シングルピボットシステムをベースに、パフォーマンスを向上させる主要な追加リンケージを備えている。シンプルさと軽量化といったあらゆる要素を、マルチリンクシステムの運動学的な改良によってさらに高めているとのこと。
Twin Levityのサスペンションキネマティクスは、システムの特性に合わせて最適なショックを選択することで完成する。設定は、ライダーがさまざまなシナリオで行ったテストから得た情報に基づいて行われ、大量のテレメトリデータが記録される。その結果、システムを最適化し、フォレスタルのバイクと調和のとれたパフォーマンスを実現するためのカスタム調整が行われ、それぞれのバイクの個性が強調する。
また、サスペンションシステムは、あるフレームサイズに合わせて単に大きくしたり小さくしたりするのではなく、サイズごとに異なる設計と最適化を行っている。つまり、Sサイズを使用しているライダーとXLサイズを使用しているライダーでは、同じ重量配分で同じ乗り心地を得ることができ、完璧なバランスのバイクと最高のサスペンション反応を楽しむことができると謳っている。
ドライブユニットはForestalが独自に開発した「Eon Drive」。軽量・コンパクト・自然をコンセプトにしており、コンパクトで軽量なEonDriveユニットは、アシストを選択したときにはライディングを強化するように設計されているが、アシストを選択しないときには自然なライディング体験を妨げないようになっているとのこと。ドライブユニットの重量は1.95kg。170mmの狭いQファクターを可能にするスリムな形状で、ペダル操作は他の自転車と同じように自然に感じる設計のを売りにしている。アシスタンスをオフにした状態では、EonDriveは完全に切り離されているので、追加の変速機の摩擦がゼロになる。
EonDriveのスペックは、公称出力250ワットで最大出力800ワット。60rpmでの最適なパフォーマンス。最大トルク出力は60Nm。エコ、スポーツ、レースの3つのアシストレベルモードがある。他には、最も困難な走行状況のための「ワイルドカード」機能であるニトロモードを搭載。これを使用すると、アシストをさらに強化し、ピークパワーのロケットブースターのようなもので、ナイトロコントロールボタンを押すと使用できる。
EonDriveの主要部品にはチタン、モーターカバーにマグネシウムなどの先進的な素材を使用。IP67認証を取得し、高いレベルの耐水性と防塵性を備えている。ユニットはフレームと完全に統合されているため、整備も簡単とのこと。
Forestal Siryonに搭載されているAuroraバッテリーは、完全に統合された取り外しのできないバッテリー。高性能350WhのAuroraバッテリーは、高性能、長寿命で知られる18650 3500mAhのバッテリーセルを使用し、充電容量の減少によるメモリー効果への耐性があるため、コンパクトなバッテリーに最適と判断し採用された。
トップチューブには、「Forestal Smart Dashboard」を搭載。どんなコンディションでも屋外での使用にも十分な明るさを発揮する高精細3.2インチのトランスフレクティブタッチスクリーンには、Wi-Fi、Bluetooth、ANT+、GPS、4Gに完全対応し、ほぼすべてのシステムと通信することが可能で、加速度計、ジャイロスコープ、地磁気計、環境光センサー、パワーメーターなど、様々なテクノロジーが詰まっており、主要な接続オプションがすべて搭載されている。
Smart Dashboardではバッテリーの状態やモーターモードなどの重要な基本情報から、地図やジオロケーション機能を備えた完全なナビゲーションシステムや、ライディングに関するすべてのデータを記録、表示、共有するための新しい方法など、より高度な機能まで、欲しい情報にすぐにアクセスできる。さらに、ターン中にヒットしたGフォースや、ジャンプや落下時に空中で過ごした時間の秒数など、エクストリームなライディングデータも。Smart Dashboard独自のペアリングアプリを使用し、ライドが終了した際には、情報を取得して分析することができる。さらに、大切なForestalのバイクが万が一消えてしまっても、盗難防止システムや「ロストモード」などの安全機能が搭載されている。
またForestalのE-Bikeには、Forstalアプリを介してユーザーのスマートフォンと常時接続し、データ分析やサードパーティ製アプリケーションとの同期が可能。このアプリは、バイクのほとんどのパラメータや機能のカスタマイズオプションに加え、バイクのチェックやメンテナンス、セットアップ、保証のためのチャットなど、幅広いツールを用意し、ユーザーとブランドの距離を縮めることができる。Forstalアプリは、アンドラのフォレスタル技術センターで社内開発され、継続的なアップデートの流れを確保しており、フォレスタルの自転車に搭載されているすべてのフォレスタルコンポーネント(EonDrive、Auroraバッテリー、Forestalスマートダッシュボード、スマートトリガー)に利用可能な新機能やオプションなどの付加価値を提供するとのことだ。
ForestalのEonDriveとAuroraの開発は、ForestalとBAFANGの技術パートナーシップで行われている。
Forestal Siryonの独占先行販売価格は7,999.00ユーロ。発売予定日は欧州/英国/米国/カナダで2020年12月。日本市場での発売は不明だ。
Forestal Siryonのスペック
- Frame:Forestal Alpha Box Carbon Enduro 29″ TR 170Monocoque construction/ Track Ready/ 170mm Travel / 2.4kg Size M
- Sizes:S / M / L / XL
- Motor:Forestal EonDrive 250W / 60Nm / IP67 / 1.95kg / 165 x 105 x 147mm
- Battery:Forestal Aurora Performance350Wh / 51V / Integrated / Rapid Charge / 1.8kg
/ 350 x 72 x 50.5mm - Display:Forestal Smart Dashboard 3.2″ Integrated HD Transflective touch screen/ All conditions resistant
- Remote:Forestal Smart Trigger3 Buttons / Battery & Assistance LED Indicators
- Fork:DVO Onyx Coil 29″ 170mmTapered alloy / Offset 44mm / Stanchions 36mm
/ Axle 15mm Boost / High & low speed compression/ Rebound / OTT - Shock:DVO Jade X Coil 230x65Metric / Coil spring preload / High & low speedcompression / Dynamic Rebound/ Bladder pressure adjust
- Headset:Acros Integrated IS 52 Top / IS 52 Bottom / Internal cable routing/Stainless steel bearings
- Stem:Forestal Oxydon 45mm ⌀ ĂĀ.8mm / 7ÿ75 Heavy duty Aluminum
- Handlebar:Forestal Oxydon C 800mm ⌀ĂĀ.8mm / Toray T7ÿÿ & T8ÿÿ Carbon
- Grips:Production Privée CR35+ – 1° backsweep & upsweep adjust
- Seatpost:Crankbrothers Highline 7 ⌀ĂĀ.6mm / Aluminum 7ÿ76 T6 / Length Āā5mm Size S/ Length 150mm Sizes M, L / Length 175mm Size XL
- Saddle:Fizik Monte Kium EnduroCarbon reinforced / Kium rails / Low density for low
pressure / 230g / 275 x 143mm - Front Brake / Rotor:Magura MT7 / Storm HC 203mm 4-piston caliper with HC Lever / 6-Bolt Rotors
- Rear Brake / Rotor:Magura MT7 / Storm HC 180mm 4-piston caliper with HC Lever / 6-Bolt Rotors
- Cranks:Praxis Carbon Q-Factor 170mm / ISIS Drive / 104 BCD / Length 160mm Sizes S, M / Length 165mm Sizes L, XL
- Chainring:SRAM X-Sync 2 Eagle 32T, 104 BCD
- Rear Derailleur:SRAM GX Eagle 12 Speed / Cage Lock / Roller Bearing Clutch
/ X-Actuation 1X - Cassette:SRAM Eagle XG-1275 Eagle / 10-50T / 12 Speed / XD Driver Body/ Full Pin
- Chain:SRAM GX Eagle 12 Speed / Powerlock / Flowlink
- Shifter:SRAM GX Eagle 12 Speed / X-Actuation 1X / Zero Loss
- Front wheel:Crankbrothers Synthesis E Carbon 29” Enduro Hub CB Standard / 15 x 110mm Boost / Spokes Sapim D-Light / 6-Bolt / Inner Rim 31.5mm / Outer Rim 37.5mm
- Rear Wheel:Crankbrothers Synthesis E Carbon 29” EnduroHub CB Standard / 12 x 148mm Boost / Spokes Sapim Race / XD Drivetrain/ 6-Bolt / Inner Rim 29.5mm/ Outer Rim 36.5mm
- Front Tyre:Panaracer Romero 29 x 2.4 HO 3Comp.High Output / Tubeless Ready / Triple Compound/ Puncture resistant wall
- Rear Tyre:Panaracer Aliso 29 x 2.4 HO 3Comp.High Output / Tubeless Ready / Triple Compound/ Puncture resistant wall
- Weight:17.4kg Size M
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