電動アシスト自転車やE-Bikeで重要な部品と言えばバッテリーだ。バッテリーは電動アシスト自転車やE-Bikeだけでなく、スマートフォンやタブレットPC、ノートパソコンといったバッテリーを使用する電気製品で重要な部品。電動アシスト自転車やE-Bikeに関してはモーターアシストの航続距離に関連するため重要だ。
かつては、電動アシスト自転車のバッテリー容量を表すのにアンペア時(Ah)を使うのが一般的だったが、現在は参考にならない。
現在主流なのが電力量(Wh)単位で表す方法。電力量(Wh)の計算は電圧(V)とアンペア時(Ah)を乗算するが、この方式を採用しているのは、メーカーによって電圧が違うため、バッテリー容量(Ah)だけでは意味が無いため。参考に一般的な電動アシスト自転車の電圧は25.2Vで、シマノやボッシュといった一般的なE-Bikeは36V、スペシャライズド Turbo SLシリーズは48Vを採用している。
今回のバッテリー容量が大きい電動アシスト自転車、E-Bikeランキングでは電力量(Wh)計算で実施する。
バッテリー容量が大きいE-Bikeランキング
最初にバッテリー容量が大きいE-Bikeのランキングを発表しよう。ジャンルに関しては、以下の通りとなる。
- ロード=ロードバイクタイプのE-Bike
- クロス=クロスバイクタイプのE-Bike
- E-MTB=マウンテンバイクバイクタイプのE-Bike
- シティ=街乗り向けのE-Bike
- 折りたたみ=折りたたみ自転車タイプのE-Bike
- ミニベロ=ミニベロタイプのE-Bike
- EU仕様=ヨーロッパ仕様のE-Bikeで日本での公道走行不可
- FANTIC XTF1.5 CARBON(EU仕様E-MTB):720Wh
- SCOTT GENIUS eRIDE 2 – JAPAN SPEC LIMITED(E-MTB):630Wh
TREK Rail 9.7/Rail 5 2021年モデル(E-MTB):630Wh
TREK PowerFly 2021年モデル(E-MTB):630Wh
FANTIC ISSIMO(シティ):630Wh
FANTIC XF1 INTEGRA(EU仕様E-MTB):630Wh
MERIDA eONE.SIXTY 10K(E-MTB):630Wh - BESV TRSシリーズ(E-MTB):504Wh
Miyata RidgeRunner(E-MTB):504Wh
Miyata RidgeRunner 8080(E-MTB):504Wh
MERIDA eONE.SIXTY 500(E-MTB):504Wh
MERIDA eONE.SIXTY 9000(E-MTB):504Wh
MERIDA eBIG.NINE(E-MTB):504Wh
MERIDA ePASSPORT CC 400 EQ(クロス):504Wh
MERIDA ePASSPORT 400 EQ(クロス):504Wh - Corratec E-POWER SHAPE PT500(クロス):500Wh
Cannondale Quick Neo(クロス):500Wh
Cannondale TopStone Neo(グラベル):500Wh
GIANT ROAD E+(ロード):500Wh
GIANT FASTROAD E+(クロス):500Wh
GIANT/Liv ESCAPE RX-E+(クロス):500Wh
GIANT TRANCE E+ PRO(E-MTB):500Wh
GIANT FATHOM E+ PRO(E-MTB):500Wh
SCOTT SCALE eRIDE – JAPAN SPEC LIMITED(E-MTB):500Wh
TREK Rail 9.7 2020年モデル(E-MTB):500Wh
TREK PowerFly 2020年モデル(E-MTB):500Wh
TREK Allant8シリーズ(クロス):500Wh
YAMAHA YPJ-MT Pro(E-MTB):500Wh - Specialized Turbo Creo SL レンジエクステンダー搭載車(ロード):320Wh+160Wh
Specialized Turbo Vado SL レンジエクステンダー搭載車(クロス):320Wh+160Wh
Specialized Turbo Como SL レンジエクステンダー搭載車(シティ):320Wh+160Wh
Specialized Turbo Levo SL レンジエクステンダー搭載車(E-MTB):320Wh+160Wh
Specialized Turbo Kenevo SL レンジエクステンダー搭載車(E-MTB):320Wh+160Wh - YAMAHA YPJ-EC(クロス):478Wh
YAMAHA YPJ-TC(クロス):478Wh
YAMAHA YPJ-ER(ツーリング):478Wh
YAMAHA YPJ-XC(E-MTB):478Wh - パナソニック XM2(E-MTB):432Wh
パナソニック XM-D2(E-MTB):432Wh - FUJI FAROINT(カーゴ):417Wh
Miyata Cruise(クロス):417Wh
Miyata Cruise i 6180(クロス):417Wh
Miyata Cruise 6180(クロス):417Wh
Miyata Cruise 5080(クロス):417Wh
Miyata RoadRex i 6180(グラベル):417Wh
Miyata RoadRex 6180(グラベル):417Wh
Miyata RidgeRunner 6180(E-MTB):417Wh
NESTO X-VALLEY E6180(E-MTB):417Wh - BESV PS1(ミニベロ):378Wh
BESV PSA1(ミニベロ):378Wh
BESV PSF1(折りたたみ):378Wh
BESV CF1 LINO(シティ):378Wh - Specialized Turbo Creo SL(ロード):320Wh
Specialized Turbo Vado SL(クロス):320Wh
Specialized Turbo Como SL(シティ):320Wh
Specialized Turbo Levo SL(E-MTB):320Wh
Specialized Turbo Kenevo SL(E-MTB):320Wh - Electra Townie Go!(クルーザー):300Wh
Tern Vektron S10(折りたたみ):300Wh
Tern HSD P9(カーゴ):300Wh
TREK Verve2+(クロス):300Wh - パナソニック XU1(クロス):288Wh
- Daytona DE01(折りたたみ):280Wh
- BESV JF1(クロス):252Wh
BESV JR1(ロード):252Wh
BESV JG1(グラベル):252Wh
BESV CF1 LENA(シティ):252Wh
Vontani H3/Q3(シティ):252Wh
Wimo Coozy(シティ):252Wh - FUJI MOTIVATOR(クロス):200Wh
- Benelli mini Fold16(折りたたみ):187Wh
- YAMAHA YPJ-R(ロード):60Wh
YAMAHA YPJ-C(クロス):60Wh
バッテリー容量が大きい電動アシスト自転車ランキング
バッテリー容量が大きい電動アシスト自転車ランキング。多くの電動アシスト自転車は電力量(Wh)で公開されていないため、シクロライダーで計算した。ジャンルに関しては、以下の通りとなる。
- ファミリー=いわゆるママチャリタイプの電動アシスト自転車
- シティ=シティサイクルタイプの電動アシスト自転車
- スポーツ=スポーツサイクル風デザインを採用した電動アシスト自転車
- 子供乗せ=子供乗せシートを搭載した電動アシスト自転車
- 折りたたみ=折りたたみ自転車タイプの電動アシスト自転車
- ファッション=洒落たデザインを採用した電動アシスト自転車
- 小径=車輪が小さい電動アシスト自転車
- パナソニック ビビ・DX(ファミリー):400Wh
パナソニック ビビ・EX(ファミリー):400Wh
パナソニック ティモシリーズ(シティ):400Wh
パナソニック ギュットシリーズ(子供乗せ):400Wh
パナソニック ビビライフ(後ろ2輪3輪自転車):400Wh - ブリヂストンサイクル リアルストリーム(スポーツ):388Wh
ブリヂストンサイクル ビッケポーラーe(前子供乗せ):388Wh
ブリヂストンサイクル アシスタU DX(ファミリー):388Wh
ヤマハ発動機 PAS With SP(ファミリー):388Wh
ヤマハ発動機 PAS RIN(シティ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS Ami(シティ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS CITY SP5(シティ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS Brace(スポーツ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS Babby un SP(後ろ子供乗せ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS Crew(後ろ子供乗せ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS Kiss mini SP(前子供乗せ):388Wh
ヤマハ発動機 PAS ワゴン(後ろ2輪3輪自転車):388Wh - サイクルベースあさひ オフィスプレスe(スポーツ):370Wh
- ブリヂストンサイクル TB1e(スポーツ):361Wh
ブリヂストンサイクル ビッケモブ dd(後ろ子供乗せ):361Wh
ブリヂストンサイクル ビッケグリ dd(後ろ子供乗せ):361Wh
ブリヂストンサイクル ハイディーツー(後ろ子供乗せ):361Wh
ブリヂストンサイクル アルベルトe(シティ):361Wh
ブリヂストンサイクル カジュナe(シティ):361Wh
ブリヂストンサイクル ラクットシリーズ(26インチ、24インチ、20インチファミリー):361Wh
ブリヂストンサイクル フロンティアラクットワゴン(後ろ2輪3輪):361Wh
ブリヂストンサイクル ステップクルーズe(シティ):361Wh
ブリヂストンサイクル フロンティアデラックス(ファミリー):361Wh
ブリヂストンサイクル イルミオ(シティ):361Wh - ブリヂストンサイクル リアルストリームミニ(小径):309Wh
ブリヂストンサイクル アシスタC STD(後ろ子供乗せ):309Wh
ブリヂストンサイクル アシスタU LT(ファミリー):309Wh
ヤマハ発動機 PAS With/With DX(ファミリー):309Wh
ヤマハ発動機 PAS mina(シティ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS CITY-X/CITY-C(小径シティ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS CITY-V(シティ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS VIENTA5(スポーツ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS SION-U(高齢者向け小径シティ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS Babby un(後ろ子供乗せ):309Wh
ヤマハ発動機 PAS Kiss mini(前子供乗せ):309Wh - パナソニック ビビ・Lシリーズ(ファミリー):300Wh
パナソニック ハリヤ(スポーツ):300Wh
パナソニック ジェッター(スポーツ):300Wh
パナソニック BP02(ファッション):300Wh
パナソニック Jコンセプト(小径ファッション):300Wh
パナソニック グリッター(小径ファッション):300Wh - ヤマハ発動機 PAS Cheer(ファミリー):224Wh
- パナソニック ビビSX(ファミリー):201Wh
パナソニック ベロスター(スポーツ):201Wh
パナソニック ベロスターミニ(スポーツ):201Wh
パナソニック オフタイム(折りたたみ):201Wh
パナソニック EZ(ファッション):201Wh
パナソニック SW(小径ファミリー):201Wh - ブリヂストンサイクル アシスタU STD(ファミリー):156Wh
バッテリー容量で見る電動アシスト自転車・E-bikeの使い方の見分け方
350Wh以下は基本的には街乗り、平地重視のサイクリング向けで長距離では余裕が無い
バッテリー容量が350Whの電動アシスト自転車やE-Bikeは、基本的には街乗りやポタリング向けと考えればいいだろう。容量252WhのBESV JF1/JR1など、バッテリー容量が小さくても航続距離100キロ以上走行できるモデルもあるが、シクロライダーでは、バッテリー容量350Wh以下は、基本的には街乗り、平地重視のサイクリング向けと考えている。
バッテリー容量のゆとりが無いと、乗り手である人間が頑張っているときは電池の消耗を抑えられるため良いが、長い上り坂を走ったり、力強いアシストを常時使うなど、モーターの力に頼ろうとするとバッテリーの消耗が大きくなる。
対策に関しては、バッテリー2個持ちで運用する、ロングツーリングを行う場合は充電器を持ち歩くのが良いだろう。
ちなみにSpecialized製E-Bike「Turbo SLシリーズ」は、バッテリー容量320Whで比較的少ないが、車体を軽くしてアシストの味付けをモーターで楽をさせるのではなく、人力自転車の不快感を切り取った味付けにすることで、人力を効率よく楽しく使わせることで、バッテリーの消耗を抑えようとしている。そのため、他社の同容量のバッテリーを搭載したE-Bikeと比較して長距離走行は有利だ。また、オプションでレンジエクステンダーを装着することで160Whの電池容量をプラスすることができ、最大で480Whの電池容量にすることが可能だ。
350Whから450Whまでは、舗装路サイクリングで楽しむバッテリー容量の最低条件
バッテリー容量が350Whから450Whまでは、舗装路サイクリングで楽しむバッテリー容量の最低条件だろう。このぐらいの容量があれば、長い坂道でもパワフルなアシストを長時間使うことができる。シクロライダーでは、舗装路サイクリングで楽しむバッテリー容量の最低条件だと考えている。
砂利道やオフロード等、舗装路よりも電池の消耗が激しい場所を走行するE-MTBに関しては、450Wh以下のバッテリーは明らかに少ない。E-MTBに乗るのなら、できるだけ大容量バッテリーを搭載したモデルに乗るのが良いだろう。
450Wh以上は舗装路をゆとりを持って楽しむことができるバッテリー容量。E-MTBに関しては最低条件のバッテリー容量
バッテリー容量が450Wh以上の場合、舗装路をゆとりを持って楽しむことができるバッテリー容量だ。このぐらい大容量バッテリーを搭載していると、峠を何度も超えるサイクリングが楽しむことができる。
砂利道やオフロード等、舗装路よりも電池の消耗が激しい場所を走行するE-MTBに関しては、このぐらいのバッテリー容量が無いと厳しい。容量も450Whよりも500Wh、500Whよりも630Whと、できるだけ大容量のバッテリーを搭載したほうが長時間走ることが可能だ。
バッテリー容量はどれだけ増やすことができるか
E-Bikeの航続距離に直結するバッテリー容量だが、追求するとキリが無くなる。一部のE-Bikeではバッテリーを2個装着したデュアルバッテリー仕様にすることで、1000Whを超えるバッテリー容量を達成したモデルがある。
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また、バッテリーを複数個所有して運用する方法もある。この方法だと、バッテリーを持ち運ぶ方法を考える必要があるが、解決できれば1500Wh以上のバッテリーを運用することができる。
3本目のバッテリー入手。3本体制は俺が初だろな。みんなスペアすらいらんと思ってる。早朝から剣山スーパー林道付近を1日散策してみな、3本とも使い尽くすから。運ぶのにCOHO XCが必須になるけど。#trs2 #trs2am #besv #スペアバッテリー pic.twitter.com/GGwhqxSsGD
— trailermac (@trailermac) April 29, 2021
バッテリー容量を増やす方法はあるのか
バッテリーに関して気になることの1つが容量を増やせるかと言うこと。バッテリー容量はバッテリーを交換して容量を増やしたり、オプションの後付バッテリーを装着する方法がある。
ヤマハ、パナソニック、ブリヂストンの一部電動アシスト自転車は大容量バッテリーに交換する方法がある。大容量バッテリーの換装に関しては自転車店で確認するのをお勧めする。
E-Bikeに関してはブランドによって、バッテリー容量を増やすことができるモデルもある。Bosch E-Bike System装着車に関しては、外付けバッテリーのPowerpackシリーズ(300Wh/400Wh/500Wh)は、互換性があるため、バッテリー容量が小さい300Whのモデルを購入しても、500WhバッテリーのPowerpack500を購入して大容量化が可能だ。Bosch PowerPack搭載車は以下の通り。
- Electra Townie Go!(クルーザー)
- Tern Vektron S10(折りたたみ)
- Tern HSD P9(カーゴ)
- TREK Verve2+(クロス)
車体内蔵型のBosch PowerTubeシリーズは、400Whと500Whでは互換性があるが、625Whはバッテリーが長くなるため、車体が625Whバッテリーに対応している必要がある。
逆に625Whバッテリー搭載車に500Whバッテリーや400Whバッテリーを搭載することは可能。一部のスポーツライドユーザーでは、標準装備されている625Whバッテリーを外して、500Whバッテリーや400Whバッテリーを装着して軽量化を行う人もいるようだ。
SpecializedのTurbo SLシリーズに関してはオプションでレンジエクステンダーバッテリー「SL RANGE EXTENDER BATTERY FOR SL SYSTEM」を用意している。バッテリー容量は160Whで、組み合わせることで480Whのバッテリー容量を実現した。
SL RANGE EXTENDER BATTERY FOR SL SYSTEMの価格は4万9500円。また、レンジエクステンダーを使用する場合、SL レンジエクステンダーケーブル 220mm ROADか、SL レンジエクステンダーケーブル 160mm MTBを購入する必要がある。価格はいずれも3850円。
アシストの航続距離に関しては、大容量バッテリーを搭載していても車体重量の重さや、ジャンル、積載している荷物によって航続距離は変わるが、バッテリー容量が大きければ大きいほど、力強いアシストで楽に走行しても、長距離を走ることができる。このランキングを参考にしつつ電動アシスト自転車やE-Bikeを選ぶのをお勧めする。