2018年の自転車業界で一番注目されたジャンルと言えばE-Bike(電動アシストスポーツ自転車)だろう。様々なE-Bikeが日本市場にやってきており、ブームを感じつつある。死滅しつつある原動機付自転車(50CC)よりも元気なE-Bikeだが、今後はどうなるのか考えてみた。
PanasonicとYamahaは、ドライブユニットを他社に供給するか
2019年1月1日現在、日本市場には様々なE-Bikeがあるが、その中でもPanasonicとYamahaは日本のE-bike界TOP2と言えるだろう。この2社の特徴は自社設計の車体に、自社製のドライブユニットを搭載している所。両社のドライブユニットは試乗した限りでは、パワーやトルク感が他社よりも一歩先を行っているが、2019年1月1日現在、この2社は他社にドライブユニットを供給していない(GIANT Escape RX-E+のドライブユニットはYamahaとGIANTの共同開発)。エンドユーザーからすれば、PanasonicやYamahaユニットを搭載した他ブランドのE-Bikeに興味があるだろうし、自転車会社も大手ブランドのドライブユニットに興味を持つ所もあるだろう。ただ、自転車製造を行っている会社が他の自転車会社にドライブユニットを提供すると、ライバルを増やしてしまう可能性があるため、ユニットのみの提供があるかは不明だ。
他社に電動ユニットを供給する会社はどこまで力を入れるか?
自社設計に拘るYamahaやPanasonicに対し、BoschとShimano。多くの会社にドライブユニットを供給するBoschとShimano。一番の利点は、多種多様なジャンルのE-BIKEを選ぶことができる事だ。
特に、Bosch製ドライブユニットを搭載したE-BIKEは、E-MTBやクロスバイクタイプ、ビーチクルーザータイプなど、多種多様なE-Bikeにドライブユニットを供給している。海外ではTern GSDや、butchers & bicycles mk1-eなどのカーゴバイク、HAIBIKE XDURO DHなどのダウンヒルMTBと、幅広い車種に採用されている。このような多種多様なE-Bikeが日本で売られるには市場規模が大きくないといけないだろう。
中国「BAFANG」は日本市場を変化させるか
中国の電動アシスト自転車用部品を製造している「BAFANG」は日本市場に参入するようだ。この会社は中小規模の会社にも日本市場に合わせたドライブユニットを提供してくれる噂がある。ただ、PSEや型式認定の問題もあるため、容易に参入できるわけではないようだ。気になるのがアシストのマッピング。ShimanoやBoschは、違うブランドのE-Bikeに乗っても同じアシスト感で乗れるが、BAFANGは許可を得てマッピングを変更しているブランド(Benelli)がある。筆者はBenelliのE-MTB「TAGETE27.5」の初期型と2018年モデルに試乗したことがあるが、アシストOFF時の制御が変更してあり、2018年モデルのほうがなだらかにアシストOFFする設定になっているようだ。マッピングの優劣でE-Bikeの乗り味は変わってしまうため、初期設定でどこまで追い込んでいるのか気になる所だろう。