日本で続々と参入が発表されているシェアサイクル事業。多種多様な企業が参入を発表しているが、ここで注目したいのはコミュニケーションアプリで有名なLINEだ。LINEは中国のシェアサイクル「Mobike」と提携を行い、日本のシェアサイクル事業に乗り出すとのこと。LINEアプリ上で、Mobile自転車の検索やロック解除、利用料金の支払いが行えるようになるようだ。
LINEアプリで自転車レンタルが可能に——自転車シェア「Mobike」とLINEが資本業務提携 | TechCrunch Japan
Mobikeが凄い所は一体どういう所なのか
By N509FZ – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link
Mobikeが凄い所は車体設計だろう。短距離移動のシェアサイクルためだけの車体となっていることだ。車体デザインは前後輪とも片持ち式でオートバイを連想させるキャストホイールは近未来感を出していてちょっと乗ってみたいと思わせるデザインを採用している。デザイン以外では駆動部を見えなくした耐久性重視のシャフトドライブ、パンクしないエアレスタイヤ、ブレーキ調整をできるだけ少なくする前後ブレーキ等、メンテナンスしにくくなる一方で耐久性を上げてメンテナンスコストを抑える工夫がされている。Mobikeに採用されている自転車を一般個人が使用したら、恐らくこのような評価になっているだろう。
- ノーパンクタイヤとキャストホイールを採用したため、振動を抑えられていない
- シャフトドライブのため車輪を外すときは面倒
- カゴはカッコ重視で物を入れる時はバッグが必要
初期のMobikeはサドルの上下調整ができない、ギアが1段しかない問題もあったようだ。またMobikeの車体設計は汎用性が無いため自転車店での修理費が高くつくだろう。
Mobikeを一般の軽快車と比較すると最悪の評価になるが、シェアサイクル用と考えると非常に理にかなっている自転車だ。ノーパンクタイヤとキャストホイール、シャフトドライブはメンテナンスフリーを実現し、1速しかないギアもシェアサイクルのため数キロ程度しか走らないため特に問題はない。(新しいMobikeは2段の自動変速システムを採用)メンテナンスが必要な事態が発生しても、恐らく自社で修理パーツを事前に持っているため、メンテナンスフリーを重視した車体設計のほうがいいだろう。独自設計の車体を採用しているため、盗難された場合も目立ちやすく流用できる部品が無いのも利点になるだろう。
Mobikeがぶっ飛んでいるのは、シェアサイクルのためにシェアサイクルに徹底的に合わせた自転車を作ったことだろう。シェアサイクルを始めるだけなら車体に装着されたスイマートロックを装着すればいいだけだ。日本のシェアサイクルの殆どが既存の車体を流用した物が殆どの中で、中国のMobikeが最初からシェアサイクル専用の自転車を作ったのは凄いと言えるだろう。
Mobikeは、中国では乗り捨て場所が自由で、好きな場所で返却できるサービスで人気を博したようだ。このため放置自転車の問題が大きくなり、日本ではMobike専用の駐輪ポートでレンタル等を行うのが一般的とのこと。注目したいのは、Mobikeを利用する時にユーザー登録を行うが、ユーザー登録を行うとMobikeスコアが手に入り、スコアが上下することでシェアサイクルの料金が変わるプランだろう。2017年12月23日現在の情報では登録時のMobikeスコアは550で、違反行為が判明すると所有しているMobikeスコアは減点され、 Mobikeスコアが500~301だと利用料金は二倍へ変更となる。そして、Mobikeスコアが300以下だと、利用地域によりペナルティ料金へと変更となるとのことだ。一方、正しく利用するとMobikeスコアは加算されるようだ。MobikeにはSIMカードとGPSが入ったスマートロックが装着されているため、利用履歴がわかるため悪質な使われ方が行いにくい利点と、移動履歴がわかるためビッグデータを入手でき活用することができることだ。実際に日本ではMobikeの実証実験で得られたビッグデータを活用すると発表している。