「君、小さいね!」
「君こそ!」
「驚いたなあ。僕より車輪が大きくてそんなに小さくなる自転車は初めて見たよ」
「僕まだ作られたばかりでよくわからないんだ」
「そうなんだ。ねえ、僕たち友達にならない?」
「本当?うれしいな!僕はiruka」
「僕はブロンプトン。よろしくiruka」 pic.twitter.com/EZUnR9LPhh— iruka (@irukabike) 2017年9月28日
コンパクトに折りたたむことができる折りたたみ自転車には様々な物がある。コストと折りたたみ性能のバランスが良いDAHON・Tern、スーツケースに入れることができるTech one Caracle-s・Patto Bike451シリーズ、60cm四方に収まり、弄りようがないほど完成されているBrompton。14インチホイールのリスクはあるが中型コインロッカーに収まるパナソニックトレンクル・BYA412系列の折りたたみ自転車など、様々な折りたたみ自転車が世の中に存在する。
今回注目する折りたたみ自転車はIrukaという18インチの小径ホイールの折りたたみ自転車。フレームに折りたたみヒンジはなくリアスイングアームとフロントフォークが折りたたむことで小さくなる折りたたみ自転車。ギアはシマノAlfine8段変速を採用し、オプションで独創的な3種類のキャリアアタッチメントを登場させるようだ(2017年10月20日現在、ティザーサイトには公開されていない)
折りたたみサイズはW79cm x H48cm x D35cm。注目する部分は折りたたみ高で48cmと50cmを切っていること。14インチ折りたたみ自転車「ルノーウルトラライト7」の折りたたみ高さが59cmなのを考えると、18インチの折りたたみ自転車で、折りたたみ高48cmは驚異的といえるだろう。
これほど折りたたみ高が短いのは、創業者がDAHON Helios(20インチ横俺式折りたたみ自転車)に乗っていた時、オフィスの机の下に入らない、新幹線の席の間に置けない欠点があったので、折りたたみ高を限界まで追求したのでは無いかと思う。
以前も書きましたが、前職では職場のビルに駐輪場がなかったので、自転車通勤の際はDAHONヘリオスを折りたたんでオフィスに持ち込んでいました。
当初はオフィスにポツポツと空きスペースがあったので置き場所には困りませんでしたが、年に2倍のペースで人が増え続けていたので、スペースが足りなくなったらまずいなあと、結構気をもんでいました。
まあ最悪、自分の机の下に突っこめばいいだろう、そう思ってある日試してみたら、何と入りません。
机の高さは70cm、DAHONヘリオスの折りたたみ時の高さは65cm。ぱっと見は入りそうでしたが、机の天板と引出の厚みがある分だけ足りないのです。というわけで、irukaは最初から一般的な事務机の下に入る折りたたみ形状・サイズにしようと考えていました。
高さ60cmを切ることを目標に設計を考え始めましたが、そのうち、どうせなら50cmを切りたいと思うようになりました。
というのも、新幹線は前の座席との間(座面前端から前席の背もたれまでの距離)が50cm強なので、折りたたみ時の高さが50cmを切り、厚みが30-40cm程度で縦置きが可能な形状であれば、足の間に置けるのです。DAHONは車両の最後尾の席の裏にしか置くことができず、輪行のときはいつもホームで列車を待ちながら、自分が乗る車両の最後尾スペースを確保できるか、やきもきしていたものでした。
irukaの絵日記: iruka T6レビュー 〜スリープモード編から引用
気になるのは泥除けの装着の有無。折りたたみ自転車をスポーツサイクルではなく、コミューターとして使うのなら、車体や人間が汚れないための泥除けの装着は必要だろう。DAHONやTernなら汎用品でOKで、Caracle-Sは純正オプションで存在し、Bromptonは標準装備、Patto Bikeはフレームにダボ穴がある。Irukaには汎用品を装着するためのダボ穴は無いように見える。また、折りたたみ時転がして移動できるが、折りたたみ時もホイールで転がし移動するため、Iruka専用の泥除けが必要なのではないかと思う。
販売時期は2018年。価格は20万円台を予定しているとのこと。試乗してみたい折りたたみ自転車だ。