舗装路を高速で走行できるロードバイクは、レースだけでなくサイクリングでも使う人がいる。ロードバイクでサイクリングを行う時に問題になるのが、荷台が装着できないため、沢山の荷物が積めないことだ。しかし、近年は、ロードバイクに大型のバッグを車体に直接装着する自転車ツーリングスタイル「バイクパッキング」で長距離サイクリングを行う人もいる。
荷台を装着しなくても荷物を積むことができるバイクパッキングをロードバイクで行う人たちもいる。ここで注意したいのが積載重量。自動車やオートバイには積載重量が書いてあることが多いが、ロードバイクにも積載重量がある。
例えば、スペシャライズドの英語版の取扱説明書には、それぞれの自転車ごとに使用条件や積載重量が書いてある。
取扱説明書によるとAllezなどのハイパフォーマンスロードバイクは、フレームに荷台が装着できる場合の積載重量は25kg。荷台が装着できず非カーボンフレームの場合の積載重量は14kgとなる。
一番気になるカーボンフレームの場合の積載重量だが、なんと2.3kg。これはコンディション2相当のカーボンフレームの自転車(クロスバイクなど)でも同じだ。因みにハイパフォーマンスロードバイクはフロントの積載については項目すらない。またコンディション2相当の自転車でもフロントフォークに荷台装着用の台座が無い場合の積載量は0kgとなる。
ロードバイクにはどのくらいの荷物が積めるのか?
Specializedはフレームによって、耐荷重が違う。ラックマウント付いている場合は25kg、非カーボンフレーム車は14kg、カーボンフレーム車:2.3kgとなる。
Cannondale、Jamis、Feltはハイパフォーマンスロードバイクには4.5kgの荷物を積むことができるとのこと。荷物を積む場合、ハンドルにバッグを装着するかシートポストバッグの装着のみとなっていて、荷台を装着することはできないようだ。Canyonに関しては、ロードバイクは荷台の装着不可。荷物を運ぶ場合は専用のサイクリング用リュックサックを使うのが唯一の方法となる。
GIANTの場合、ハイパフォーマンスロードバイクはフレーム素材に関わらず1.5kgの荷物しか積めない。
日本ブランドに目を向けると、ブリヂストンサイクルの場合、CYLVA D等のロードスポーツ車の取扱説明書では10kgまで。前は3kgまで。パナソニック・オーダーシステムは、車種にもよるが、ロードバイクやシクロクロス車は荷台の装着は想定していないのか、荷台の装着はできないと書いてある。
非競技ユーザーのロードバイクだと、ある程度の荷物は積めるようだ。Surlyの場合、ASTM規格では砂利道や多少の段差を走行しても大丈夫なカテゴリー2を採用している「Pacer」は、説明書では14kgの荷物を積むことができる。Midnight Specialに関しては、詳しい記述がなく乗員体重と荷物を合わせて136kgと定めている。
- Cannondale:http://www.cannondale.com/en/USA/Support/OwnerManuals/Road
- FELT:http://www.feltbicycles.com/USA/Single-Nav/Inside-Felt/Manuals/Road.aspx
- JAMIS:http://www.jamisbikes.com/usa/support.html
- Specialized:スペシャライズドの英語版取扱説明書(PDF)
- Canyon:https://www.canyon.com/ja/service/downloads/
- GIANT:https://www.giant-bicycles.com/us/owners-manuals
- ブリヂストンサイクル:http://www.bscycle.co.jp/support/pdf/
- Panasonic:http://cycle.panasonic.jp/manual/
- http://ja.surlybikes.com/bikes/pacer
- https://ja.surlybikes.com/bikes/midnight_special
競技用ロードバイクでバイクパッキングや長距離ツーリングは不可能か?
F1カーが荷物を積んで走るのを想定していないのと同じように、競技用ロードバイクで重い荷物を積むことはできないと思ったほうが良いだろう。バイクパッキングなどで重い荷物を積む場合、自転車が壊れても仕方ないのを承知で行うしかないようだ。最近は競技用ロードバイクでキャンプツーリングを薦めるメディアもあるが、自転車にキャンプ道具を載せる一般的なキャンプツーリングは難しい。モンベルの1人用テント「ムーンライトテント1型」の重量が2.1kgなのを考えると、競技用ロードバイクでのキャンプツーリングは絶望的だと思ったほうが良い。
仮にロードバイクでキャンプツーリングしたいのなら、レンタル用品が豊富なキャンプ場でキャンプを楽しむ、グラベルロードやクロスバイク等重い荷物が積める自転車を新たに購入する、車体が壊れるのを覚悟で重い荷物を積んで走るしかない。