ルイガノのクロスバイクの中では長く売られているTR1。Escape RXなど現在主流となっているスピードクロスとは対象的なトレッキングバイクタイプのクロスバイクとなっている。
このようなトレッキングバイクタイプのクロスバイクはサスペンションが装備されている物が多い。TR1のサスペンションはクロスバイク用の50ミリフォークを採用している。このサスペンションフォークはマウンテンバイクよりも稼動域が短く柔らかい。悪路の高速走行よりも、歩道の段差に対応するためのサスペンションだ。
ギア比はクロスバイク用のギア比でスピードが出るギア比から、軽いギアまである。ブレーキは前後ともVブレーキで十分な制動力はある。ハンドルステムは上下伸縮可能でやや前傾姿勢からママチャリに近いアップライトポジションまで対応している。気になるのはサドルで、スポーツ用の比較的硬いサドルを採用している。TR1のキャラクターに合わないサドルだ。
Louis Garneau TR1とスピードクロス「GIANT Escape RX」を比較する
ルイガノTR1とGIANT Escape RXではコンセプトがまったく違うクロスバイクだ。Escaoe RXはロードバイクみたいに舗装路を高速で走る趣味性が高いクロスバイクなのに対して、TR1はスピードよりも快適性を求めるクロスバイクだろう。
歩道の段差の衝撃を和らげるサスペンションフォークや700X35Cとシティサイクル並の幅を持つタイヤは舗装路での高速走行よりも、総合的に快適に走るのに向いている。Escape RXと比べるとスピードは出ないが、シティサイクルと比べたらスピードは出るスポーツ自転車で、車輪を外しての輪行や、多段ギアを活用した長距離走行もできる。
アップライトな乗車姿勢と舗装路の快適性を重視したLouis Garneau TR1は、流行のスピードクロスなどタイヤが細いクロスバイクや前傾姿勢になるクロスバイクに乗りたくない人が乗るクロスバイクだろう。もしTR1を買った後に舗装路でスピードが出るモデルが欲しいのなら、TR1を改造するのではなく、最初からロードバイクやスピードクロスなどの舗装路で高速走行ができる自転車を買ったほうが良い。TR1をカスタムやチューニングするのなら、持ちやすいハンドルや両立センタースタンドなど、街乗りや快適性を重視したほうがいいだろう。