2017年のFeltのロードバイクに新たに登場したシリーズにVRシリーズがある。VRシリーズは、競技用ロードバイクのFシリーズよりもアップライトな姿勢で乗れる、エンデュランスロードバイク「Zシリーズ」の進化系となっている。
FELT VR60 出典:VR60 – FELT公式サイト | フェルト ロードバイク
フレームの設計は、競技用のFRシリーズよりもアップライトな姿勢で乗れ、ヘッドアングルを寝かし、ロードバイクとしてはロングホイールベースを採用し、ロードレーサーに特有のふらつきやすさを解消しているとのこと。また、シートステーブリッジを廃止し柔軟性を高めたと公式サイトの解説に書いてある。フレームとタイヤとのクリアランスは十分あるらしく、35ミリまでのタイヤを装着できる。フレームにはVRシリーズ専用フェンダーを装着可能な台座や、トップチューブはストレージボックスを装着するためのアイレットを装備しているとのことだ。
FELT VRシリーズに注目しているのは、フレームだけでなく軽いギア比があるというのもある。通常のロードバイク用のクランクは50-34Tと、リアスプロケットをマウンテンバイク並に大きい32T等を装着していても、1以下に下げることができないが、VRシリーズは全車、クランクに30~32Tと軽いギアを採用している。そのため部品を交換しなくても、ギア比が1以下を得ることができる。10万円を切るVR60のクランクの歯数は46-30Tと、非常に珍しいクランクを採用している。注目しているのは安価なモデルでも低いギア比を実現していること。従来のコンパクトクランクよりも軽いギア比を装着しているクランクは、Dixnaラ・クランクやSUGINO OXなど高価な部品では存在するが、FSAが安価な部品を出して市販車に装着したことに注目している。
公道仕様ロードバイクとして完璧なスペックだが実際はどうなのか
太いタイヤに対応可能、専用泥除けの装着が可能、乗車姿勢はロードバイクとしてはアップライト、ディスクブレーキを装備、最初から軽いギアを装備していると公道仕様ロードバイクとして完璧なスペックだが、実際の走りはどうなのかが気になる。上位モデルは高いグレードの部品を装備しているが、エントリーモデルのVR60できになる部分が幾つかある。
VR60のブレーキはPromax製を採用している。Promaxは安価なエントリーモデルのスポーツ自転車に採用されているブランドの1つだが、性能よりも価格を重視していて判断されるブランドで、実際のブレーキの効きや調節等の使い勝手はわからない。クランクはFSA Tempo Adventureで、従来のコンパクトクランクよりも軽いギア比を採用しているため、ギアの歯(チェーンリング)や、クランクのラインナップは少ないため、アップグレードの可能性は気になる。気になる部分は幾つかあるが、初心者が直ぐに楽しめる安価な公道用ロードバイクに入る1台だと思っている。