Ternの自転車と言えば、折りたたみ自転車が有名だが2016年モデルからはコマンドプロジェクトというシリーズのストリートタイプのスポーツ自転車を登場させた。Ternはコマンドプロジェクトの自転車をクロスバイクのジャンルにしているが、シクロライダーとしては、キャリパーブレーキを採用したモデルのためフラットバーロードバイクのジャンルのほうが正しい気がする。
コマンドプロジェクトのモデルの特徴は主に2つあり、1つはストリート系の街乗りスポーツ自転車をコンセプトにしていること。そのためメインモデルは前ギアを小さめのシングルにして街乗りに割り切っている。2つ目は650Cホイールを採用していること。多くの舗装路向けスポーツ自転車に採用されている700Cよりも車輪径が小さい650Cホイールを採用することによって、車輪径を小さくし、小柄な人でも乗りやすいフレーム設計にできるのを売りにしている。
RIP ¥79,000(税別)
エアロ形状のアルミフレームを採用したのがRIP。スポークが少ない軽さ重視の車輪や細いタイヤしか装着できないブレーキサイズ、荷台や泥除けが装着できないフレーム設計を見ると、コマンドプロジェクトの中では舗装路の走りを重視したモデルだ。
フレーム:アルミエアロフレーム
フロントフォーク:アルミエアロフォーク
ブレーキ:キャリパーブレーキ
クランク:前シングル 44T
スプロケット:シマノ 8速 11-28T
タイヤ:KENDA 650×25C
CLUTCH ¥52,000(税別)
コマンドプロジェクトの中で一番安価なモデルがCLUTCH。RIPを意識しているのかエアロ風のフレーム形状でカタログにもセミエアロフレームと書いてあるが、28ミリタイヤを装着していて、通常のキャリパーブレーキよりも少し大きいロングアーチキャリパーブレーキを装備し、荷台や泥除けが装着可能なダボ穴を見ると、RIPよりも汎用性を重視している。
フレーム:アルミフレーム
フロントフォーク:ハイテンスチールフォーク
ブレーキ:ロングアーチキャリパーブレーキ
クランク:前シングル 44T
スプロケット:シマノ 8速 11-32T
タイヤ:Tern 650×28C
RALLY ¥69,000(税別)
クロモリフレームを採用したレトロスタイルのモデルがRally。昔ながらのスタイルを採用したスレッドステムやクランク、サムシフターを採用し古典的な雰囲気を出している。CLUTCHのように28ミリタイヤを装着していて、通常のキャリパーブレーキよりも少し大きいロングアーチキャリパーブレーキを装備し、荷台や泥除けが装着可能なダボ穴があり、泥除けが標準装備されているのを見ると、汎用性を重視している。
フレーム:クロモリフレーム
フロントフォーク:クロモリフォーク
ブレーキ:ロングアーチキャリパーブレーキ
クランク:前シングル 44T
スプロケット:シマノ 8速 11-28T
タイヤ:Tern 650×28C
GLEAM ¥172,000(税別)
チネリ・レーザーのような、フィン加工をされたクロモリフレームに、 チネリ・MASH HISTOGRAMのような前下りフレームを採用したGLEAM。コマンドプロジェクトの中で最上級モデルであり、コマンドプロジェクトモデルの中で唯一前2段のモデルとなっている。スポークが少ない軽さ重視の車輪や細いタイヤしか装着できないブレーキサイズ、荷台や泥除けが装着できないフレーム設計を見ると、コマンドプロジェクトの中では、RIPのように舗装路の走りを重視したモデルだ。
フレーム:クロモリフレーム フィン加工
フロントフォーク:クロモリフォーク
ブレーキ:キャリパーブレーキ
クランク:前シングル 50-34T
スプロケット:シマノ10速 11-25T
タイヤ:Panaracer Pasela Blackes 650×25C
コマンドプロジェクトの650Cの売りは欠点にもなる
コマンドプロジェクトの自転車は全車650Cと700Cよりも小さいホイールを採用している。コマンドプロジェクトのページでは650Cの売りを解説しているが、650Cの一番の問題は700Cよりもタイヤのラインナップが少ないこと。700Cのようにタイヤのラインナップはあまりなく、走りを追求するには不都合な状況となっている。ただ、コマンドプロジェクトの自転車は街乗り重視の自転車なので、走りを追求するのはあまり気にしない人もいると思うが、650Cはチューブを置いている店が少ない。ホームセンターでは置いていないサイズなので注意が必要だ。