現在、プジョーの自転車はマニア向けというよりも、エントリー向けで安価なモデルを中心に販売を行っている。その中でもレトロスタイルを売りにしているParis à Véloシリーズで、ドロップハンドルで唯一の前多段変速(前2段)で長距離走行もできるモデルがParis à Vélo Retroだ。
フレーム、フロントフォーク共にハイテンスチール製。一般的にはハイテンスチールはクロモリよりも重い素材と言われている。重量は11.7キロ。Wレバーに通常のドロップハンドル用ブレーキレバーの組み合わせを考えると、こんなものだろう。泥除け、荷台取り付け台座は装備されている。
ブレーキはTEKTRO R369と、アーム長55mm~73mmと通常のロードバイク用キャリパーブレーキよりも遥かに大きいブレーキ。これは通常のロードバイクに採用されていない。SHIMANO等の有名ブランドからは、このサイズのキャリパーブレーキは販売していないので、ブレーキのアップグレードは非常に難しい。
ギア比は詳細は書いていないが、前2段・後ろ8段のロードバイク用ギア比。このギア比は競技用で普通の人が乗るには重すぎるギア比だ。想定ユーザーを考えるとチグハグな自転車だ。タイヤはKENDA K196 700X25C。フレームの隙間が大きいので少し太いタイヤも装着できるだろう。
変速機で特徴的なのは、フレームに装着されているWレバーだろう。利点はシンプルな機構で欠点は変速動作をする時にハンドルから、手を離さないといけないことだ。今ではWレバーでも手元変速できる部品があるので気になる人はチェックしよう。また、補助ブレーキレバーが標準装備しているのはプラスポイント。
Peugeot Paris à Vélo Retroはロードバイクのジャンルになっているが、個人的にはロードバイクというよりは、ロードバイクの形をしたコミューターのような物だと思う。通常のロードバイクでは見ないタイヤとブレーキの大きい隙間は、泥除けが装着でき、タイヤを太くして荷台をつければ荷物を積むこともできる。スピードを出して走るロードバイクみたいな使い方よりは、高速走行は犠牲にして泥除けや少し太いタイヤをつける、荷台を装着してサイドバッグをつける等、サイクリングやコミューター的な使い方がいいだろう。価格と部品構成等を考えると、特に高くもなく安くもない。
Peugeot Paris à Vélo Retroのスペック
フレーム:ハイテンスチールフレーム
フロントフォーク:ハイテンスチールフォーク
ブレーキ:TEKTRO R369 アーム長47mm~57mm
クランク:PROWHEEL SOLID-320 52/39T?
スプロケット:シマノ 8速 ロードバイク用ギア比
タイヤ:KENDA K196 700X25C